元禄7年秋、伊賀から大坂への旅立ちを心配そうに見送ってくれる人々への留別吟。「手をひろげる」は掌をひらく、という意。山里とはいえ伊賀の9月は「行く秋」にはまだ早い。芭蕉はあえて惜別の情をこめてこの言葉を使ったのであろう。
滑稽や諧謔を主としていた俳諧を、蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風として確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人
『俳句のくに・三重』 (三重県庁)出版: 三重県庁発行年: 2011年
芭蕉の森(観察の園)
東海 三重県 伊賀市